作家インタビュー2017-源右衛門窯 市野太郎-
TanbaStyle発足から4年目。初年度は6人で活動を開始し、2年目から現在の8人体制で活動しています。
2年目から加わったのが、今回インタビューの市野太郎さんです。
「自分が何をできるか?」
初年度はメンバー外の立場で、茶屋町画廊での展覧会やグランフロント大阪でのイベントを見てきた太郎さん。
「今までとは違うこと、何か新しい面白そうなことをやってるなー」と感じていたそうです。
2年目から参加することになり、「こんな面白そうな活動に参加させてもらえたのは嬉しい」反面「自分が何をできるか?」と考えながら活動に参加していくことになります。
ヒット商品「スタッキングボウル」
TanbaStyleは1年目の模索の時期を過ごし、2年目は商品開発を中心に行っていくことになりました。
TanbaStyleのヒット商品の1つのスタッキングボウル。意外にも今までの陶器には無かったこの形は、洋にも和にも使いやすく人気の商品になっています。
実はこれは太郎さんのアイディアによるもの。陶器とは異分野の食器からヒントを得たというのは、さすがアイディア豊富な太郎さんらしいところです。
軽やかで愛らしい作風
太郎さんの作風は「水玉」「しましま」「市松」さらに新発案の「花模様」など、軽やかで愛らしい作風。
女性にとても人気なのは、たまたまではなくもちろん狙っているもの。
「女性がどのような形や風合い、模様が気にいるか、そればっかり考えている 笑」と笑いながら話してくれます。
自分が作る器を誰に使ってほしいかしっかり考え、それに向かって商品開発をやっていくというのは当たり前のようで実は難しい側面もあります。
というのは、利用者に使って欲しいという気持ちもある反面、陶芸家としての自分らしさも出したいという気持ちもあるからです。
特に複数人のメンバーでやるときはその商品開発の方法は大事で、日頃からそのようなやり方をしている太郎さんの果たす役割は大きいと感じます。
TanbaStyleの活動で得たもの
TanbaStyleでの活動の1つにファンクラブとの交流イベントがあります。グランフロント大阪で大規模なイベントを行ったのもその一環。
そのようなファンクラブとの交流を通じて、これまでの自分にはない新たな付き合いが増えたのはTanbaStyleの活動で得たものの1つと語ってくれました。
いいものを作って丹波焼の知名度を広げたい
自分の仕事とTanbaStyleの仕事とその両方が重なってくるときは、そのバランスの取り方に非常に苦慮したという太郎さん。
それでもTanbaStyleを通じて、丹波焼の知名度を全国的にしていきたいと語ってくれます。
丹波焼の知名度も関西ではそこそこあるものの、全国的にはまだまだ知られていません。
長年、東京ドームのテーブルウェアフェスティバル(東京ドームで行われる大規模な器の展示即売回。全国の産地のテーブルウェアが見られる。)に出展している太郎さんだからこそ痛切に感じているところかもしれません。
そのためにも、もっともっと商品開発を詰めてよりよい物を創り出していきたいと語ってくれます。
様々なイベント活動もそうですが、やはり陶芸家の集まりとしてはしっかりとした商品を作ってこそTanbaStyleの活動といえます。
いつも気さくに場を和ませてる太郎さん。真面目に重くなりがちなTanbaStyleの商品開発でもユニークな視点で意見を出してくれます。
TanbaStyleにとっては代えがたい存在で、これからも期待大ですね!
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